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VFXメモ!

映画レビュー「47RONIN」

過去にレビューサイトに投稿したものを加筆修正してお送りします。

47RONIN


忠臣蔵をハリウッドで、しかもキアヌ・リーブス主演で、まさかの映画化!


■予告編


■あらすじ
大石(真田広之)率いるサムライたちは、吉良(浅野忠信)とミステリアスな女ミヅキ(菊地凛子)のたくらみによって主君を殺され、自然が豊かな赤穂の領地を追われてしまう。さらなる謀略を企てる吉良の野望を阻止し、主君の敵を討つべく集まった47人の浪士たちは、はぐれ者の混血青年カイ(キアヌ・リーヴス)と手を組むことに。わずかな人数の彼らは、明らかに戦力差のある敵の軍勢の戦いに命を賭して身を投じる。


 日本が舞台のファンタジーアクションとしてそこそこ面白いです。実在しない獣たちとのバトルは迫力あります。衣装やセットも日本人からはなかなか出てこない発想でいいですね(中国っぽいけどね)。毎度毎度セットを使い回してる邦画と比べるとやはりリッチですな。作品に合わせた世界観作りが出来るのはいいことです。

 けれど、それを踏まえて観ても違和感を覚える箇所は一杯ありました。
 まずキアヌ・リーブスが余計。架空のキャラだから当然と言えば当然です。ラスト・サムライのオールグレン(トム・クルーズ)みたいな必然性があれば良かったんですけどね。
 架空の主人公が架空の姫と恋をして架空の敵と戦うんだから、もはや忠臣蔵はなんの関係もありません。日本で面白そうなネタがあるからオレたちも一枚噛ませろ、キャラとストーリーはこっちで考えるから、って感じでした。

 全編英語というのも最初は面白いと思って観ていたけれど、後半にいくにつれて逆に違和感が増していきました。日本語で時代劇を楽しめることがどれだけ幸福か再確認。やはり言語が変われば人物の性格や価値観、仕草の演技なども全部アメリカ式になってしまうと思います。(そのくせ何故かガヤは日本語という不思議・・・。) 「 硫黄島からの手紙」が、主要人物 全員日本人、全編日本語で作ったのはかなりの英断だったんだな、と今さら思っちゃいました。

 邦画と洋画、予算の差など関係なく同じ土俵に立ってみても、「十三人の刺客」や「もののけ姫」などの方がはるかに面白かったです。これだったら、日本描写はメチャクチャでも「ウルヴァリン・サムライ」の方がサービス精神があってまだ良かったですけどね(あくまで比較です)

 まぁそれでも・・・そこそこは・・・面白いんですよね。ああー。
■本作のVFX
担当したのはFramestore、MPC、Digital Domainなどなど。

 MPCの担当した田園(?)風景と出島の環境。
出島はMPCが担当した環境合成で最も複雑だったらしいです。


出島のヴィジュアルは圧巻ですね。

Framestoreが担当したドラゴン。

スタッフの間で、「一番美しい日本のドラゴンってどんなんや?」という話題になり「千と千尋の神隠し」の「ハク」が挙げられたようです。宮崎駿に対しての賛辞も込めていると。キャラクターの性格的には全然違いますが(笑)。自分の英語力がダメダメなので、細かいニュアンスが間違ってたらスミマセン。

VFXについての情報はまた追記します!
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