ゴーン・ガール 未選択 2014年12月27日 「ゴーン・ガール」 こんちは。またまた久々の映画レビューでっす。 ■予告編 ■あらすじ ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしま う。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつ き理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……。 (シネマトゥデイより抜粋) ■宮部みゆきの小説を読んでるような デビッド・フィンチャー監督、「ドラゴン・タトゥーの女」以来の作品です。見た直後のボンヤリとした印象は、「なんだか宮部みゆきの小説みたいだな」ということでした。偽りの人生とそれが破綻していく「火車」や、メディアのイメージでっち上げに翻弄される描写は「模倣犯」を思い起こしました。これらの小説も随分前に読んだ物なので、久々に読み返してみようかな、って気分にもさせられましたな。 ■リッチな映像 まずは、フィンチャー監督作だけあって映像が綺麗!撮影はジェフ・クローネンウェス。「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴンタトゥーの女」などでも一緒に組んでいる方。風景の切り取り方がかっこよくて、変哲も無い風景なのに見応えがあります。不音感も漂っています。 ■役者たち 主演はベン・アフレック。「アルゴ」に続いて、嘘や建前、そして本音を如何にして繰り出すかで運命が決まってしまう男、そんな役柄を演じています。モテ男の要素がありながら、かなりどうしようもないクズ男でもある。けれど、芯からは憎めないという絶妙なキャラに、見事にハマっていました(もちろん褒め言葉)。まさかの顎ネタもあり! そして消えた妻を”演じる”のがロザムンド・パイク。つい最近の出演作では「アウトロー」や「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」が印象に残っています。いやー、正直舐めてました、前出の作品を見た時の印象は「ゴツイ美人なオバさん」という大変失礼なもので(笑)。イメージが覆される見事な演技でした。場面によってメイクやファッションがコロコロ変わっていくのも見どころです。 脇役で言えばニール・パトリック・ハリス。ロザムンド・パイク扮するエイミーに付き纏う粘着質な同級生を演じています。個人的には彼のネチっこいムッツリ助平ぶりが笑えました。エイミーと会話しながらも、そばの柱を手でスリスリ・・・。なにやってんだお前! ■演技を見破る奴ら この映画は、平田オリザ風に言うと、全編が「人間とは演技する生き物である」ということを言っているシーンばかりです。登場人物皆が、多かれ少なかれ家庭的、社会的な役割を演じて生きています(当然、我々観客も同じですね)。ところが、その嘘を見破る人物が現れます。それは、主要登場人物たちとは全く違う世界で生きている、いわゆるホワイトトラッシュたち。嘘をついていた人間は、「自分は誰にもバレずに完璧に演技できている。これならバレっこないよフヒヒ」なんて思っていても、彼らにいとも簡単に嘘を見破られてしまいます。これはちょっと意外だし、痛快な展開でした。 PR